10000系基礎知識


野田線をゆく11632F。馬込沢〜鎌ヶ谷にて。

東武10000系は、1983年より増備が開始された東武鉄道初のステンレスカー。当初は側面にコルゲート板を貼り付けた10000系が増備されたが、途中で設計変更が行われ、1987年から簡素な台車構造・すっきりした車体構造の10030系・10050系(1992年〜)に展開した。製造両数は486両。1997年に30000系が登場するまでは、最新鋭の本線用通勤電車だった。

    


8000系と10000系列は、走り装置では、回生ブレーキを持つか持たないかの違いが大きい。8000系では、メンテナンスの簡易化のため、発電・回生ブレーキを省略している。しかし、10000系はバーニア式界磁チョッパ制御で、回生ブレーキを常時使用する。
なお、これまで10000系列が野田線に入線できなかった理由として、送電設備が回生ブレーキに対応していないことが挙げられることが多かったが、これは、回生ブレーキを使用した際に区間内に別の列車がない場合、発電所で列車が発電した電力を回収する装置が必要となることをさしている。公式発表ではないが、高柳や豊四季などの送電設備が改修された後に10000系・60000系が入線したことを考えると、かなり確からしいといえる。
8000系との音の違いでは、ギア比が8000系よりも高い(8000系85:16,10000系87:16)ために、10000系のモーターのほうがこもった音になる(ギア比により音階は微妙に変わる。)ほか、同じ走行速度でもより高い音が出る。

コルゲート車体の11802F。東上線池袋にて。

初期の10000系の台車は、8000系後期形のFS396/096のデザインをひいたFS-511A/011Sで、ブレーキシリンダが片側のみになり、車輪を台車内側から片押しするもの。10030系以降は、ボルスターがなくなったSS-110/009へと変更された。コンプレッサーは10000系ではHB2000,10030系以降はHS-20C、電源装置は10000系ではMG、10030系以降はSIVを搭載している。
車体は、10000系がコルゲートが貼り付けられており側面がデコボコなのに対して、10030系以降はビート入りステンレス車体にダルフィニッシュ加工を施して反射を抑えており、ピカピカせず落ち着いた風合いになっている。車体レイアウトも、座席が4-7-7-7-4から3-7-7-7-3に変更となり、窓割りが変更になったほか、運転室が拡大されたことにより先頭車はドア4つが全体的に後方に寄せられるなどの違いが生じている。
2012年よりリニューアルが開始され、10000系、10030系共に、スカート追加、ヘッドライトのHID化、方向幕のフルカラーLED化、座席・化粧板の交換(50000系タイプの配色・袖仕切り)、扉上案内装置の追加、自動放送導入、車外スピーカー設置が行われている。
野田線に入線したのは、11631F、11632F(リニューアル編成)、11635F(リニューアル編成)、11652F。青(フューチャーブルー)に黄緑(ブライトグリーン)の帯色に変更されて、運用に入っている。

船橋にて。

■ 車輌基本データ ■
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形式名 クハ11630 モハ12630 モハ13630 サハ14630 モハ15630 クハ16630
定員/座席定員(人) 142/48 152/51
170/54
152/54 152/54 152/51
150/46
142/48
自重(t) 29.0 39.0 39.0 32.5 37.5 29.0
長さ(mm) 200002000020000200002000020000
幅(mm) 287828782878287828782878
高さ(mm) 4040 4145 4040 4040 4145 4040
制御装置 - VMC-HTR-20A - - VMC-HTR-10A -
主電動機
出力(KW)
- 140kw
1C8M
140kw
1C8M
- 140kw
1C4M
-
主要機器 c R/C/PT CP/MG c c/R/C/PT c/CP/MG
ブレーキ方式 電気指令式回生ブレーキ
車体 ステンレススチール
加速度・最高速度 2.5km/h/s・110km/h
常用最大/非常減速度 3.7km/h/s・4.2km/h/s
注 定員下段は車椅子スペース付車 c・・・運転席 R・・・抵抗 C・・・制御機器 PT・・・パンタグラフ CP…コンプレッサ MG・・・電源装置
※参考資料:私鉄電車ビジュアルガイド 東武鉄道,東武電車研究会,中央書院,(2003)


本線堀切にて。

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