野田線紹介



高柳・逆井間にて。寒空の下をゆく8000系
■ 沿線風景 ■
graph東武野田線の車窓には住宅地と畑・水田・林が交互に広がる。北側は利根川水域の水田地帯、南側は下総台地の畑作地帯になっている。そこに、戦後東京都心から人口が移動していくムーブメントのなかで住宅地が広がっていった。大宮・春日部・柏・船橋などのターミナル駅近辺の駅から住宅は広がって、今もなお沿線では開発が続いている。古くから開発が進んだ地域では低い木造建築が多く、90年代以降に開発された街区にはマンションや欧風ツーバイフォー建築群が見られる。典型的な郊外の住宅地だ。ただ、東急田園都市線などと違うのは、開発が一体的に進んだわけではないので、古い住宅地の間に欧風の建物群が建てられていたり、畑の間にマンションが建っていたりすることだ。とくに畑作地帯の船橋〜柏は開発が不均等に進んでいる。もともと畑ではない土地のほうが住宅地として開発しやすかったことからそのような土地から住宅が広がり始めた。畑は住宅地の狭間に取り残されることとなり、順次開発された。計画的な開発がなされなかったため、道は狭く入り組んでしまうことになった。(そのような開発が進むことをスプローリングとかいうらしい。)
不均等な開発の象徴たるものが、駅前が開けていない、高柳駅や七光台駅だろう。七光台は本当に周辺に住宅が全然ないのだが、高柳の場合、駅の西側に住宅が広い範囲に広がっているので、乗降客は逆井並みにはある。
このような不均等な開発の結果は乗降客数にも表れる。ターミナル駅のすぐ近くの駅、たとえば新船橋、藤の牛島、八木崎などは乗降客が少ない。これはひとつにはバスなど他の交通機関との競合もあるのだが、必ずしもターミナル駅周辺から開発が進んだわけではないことを示している。むしろ、開発は、駅周辺から虫食い的に進んだと表現したほうがいいくらいだ。

乗客に目を移そう。朝は大体が通勤客だ。ターミナル駅のみ乗客が突出していることはそれを如術に現す。一応運河や岩槻など周辺に高校や大学がある駅もありそういった利用もあるのだが、数としては大したことはない。昼間も多くの乗客はターミナルへと向かっていく。夜は帰りの通勤客で夜まで列車は込み合う。つまり野田線は典型的なベッドタウン路線になっている。
※データ引用:東武鉄道,駅情報(乗降人員)|鉄道事業|東武鉄道,http://www.tobu.co.jp/rail/frail_2_2.html,(2008.11.1)

野田線沿線のターミナル駅から東京駅近辺(日本橋か大手町)までの時間は以下の通り。
大宮>東京 (宇都宮・高崎線&山手・京浜東北線 32min.\540)
<Br>春日部>(直通)>大手町 (東武伊勢崎線&地下鉄半蔵門線 54min.\640)
<br>春日部>北千住乗換>大手町 (東武伊勢崎線&地下鉄千代田線 45min.\590)
<br>流山おおたかの森>東京 (つくばエクスプレス&山手・京浜東北線 29min\730)
<br>柏>東京 (常磐線快速&山手・京浜東北線 37min.\540)
<br>新鎌ヶ谷>(直通)>日本橋 (北総公団線・京成押上線・都営地下鉄浅草線 41min.\920)
<br>新鎌ヶ谷>(乗換)>東京 (新京成線・常磐快速線・山手京浜東北線 48min.\570)
<br>船橋>東京 (総武線快速 32min.\380) 時間的にはつくばエクスプレスが最速なのだが、大宮、柏、船橋の各ターミナルはぞれぞれ30分台に抑えてきている。大体野田線でターミナルから10分以内の駅なら東京から1時間圏内に入るということだ。一方、新鎌ヶ谷と春日部は早くて40分台なので、東京から1時間を超えて少し利便性では劣るところがある。
電車の運賃でいうと船橋が一番安いが、江戸時代以来の「隅田川の東」のイメージを引きずっているところがあって、大宮のほうがまだハイカラな気がする。それに、大宮のほうが断然山手側の池袋・新宿・渋谷へのアクセスがいい。
ここから推測できる通り、大宮〜春日部・運河〜柏〜高柳・鎌ヶ谷〜船橋では交通の便がよかったため沿線では住宅が多いが、その他の区間では密集していない。ただ、区間にかかわらず、田畑が宅地化の波の中に残されている。
※データ引用:yahoo!japan 路線検索,http://transit.yahoo.co.jp/,(2008.10.31)乗換時間含まず,平日12時出発で算出
■ 歴史 ■
1911年5月千葉県営鉄道として野田- 柏が開業したのが起源。この鉄道は貨物輸送を主な目的としていた。
1922年に野田線の前身北総鉄道が設立された。23年8月に県営鉄道の払い下げを受け、12 月船橋-柏が非電化開業、大宮への延伸工事を開始して、29年には路線が江戸川を渡り、総武鉄道に名を変えた。(恐らく春日部到達)
1930年10月ついに全線開通した。当時は大宮-柏が電化、船橋-柏が非電化(当時大宮方面とは駅が国鉄をはさんで反対側・地図の点線)だった。非電化だった船橋線には2軸のガソリンカーが走っていた。6両編成の列車がゆきかう路線も70年前にはそんな姿だったとはにわかには信じがたい。
一時船橋ー海神に延長された(上の地図点線)が、この路線は営業不振ですぐに廃止された。ちなみに線路跡は今も道路として残っている。
1944年3月31日に、戦時体制の下で野田線は東武鉄道に編入された。戦後の混乱期の輸送力確保のためなのか、詳しい事情は定かではないが、はやくも1947年には全線電化が完了した。

電化後は東武本線系統の古い車両が導入され、90年代初頭まではつり合いバネ式の旧型車車体更新車が残存していたが、8000系と5000系により車両の大型化と冷房化が完了し、2003年には5070系の廃車により旧性能車が姿を消し、高速化がなされた。それでも、昔よりは大幅にスピードアップしたとはいえ、野田線には各駅停車しかないため、各ターミナル間を結ぶ鉄道としてはあまり機能できていないというのが現状だ。

しかし、なんだかんだいって東武の路線の中では営業成績はよい方であり続けているのは、沿線での住宅開発の進行に負うところが多い。(本線や日光線の末端の乗客減が激しい)

さて、車両の性能が残念な野田線だが、すれ違いによるタイムロスと運転本数増加への障害は、解消が次第に進んでいる。1960年の運河-初石を皮切りに複線化が進み、2009年現在単線区間は春日部-運河と逆井-六実になっている。これにより複線区間では最高5分ピッチでの運転が可能になっている。
※参考:カラーブックス日本の私鉄10 東武,花上嘉成・諸河久,保育社,(1991)
■ 基本データ ■
路線図
路線総延長62.7km
駅数35駅
平均駅間1.88km(駅数は多め)
ラッシュ時最高5分ピッチ
データイム全線10分ピッチパターンダイヤ
車両:8000系


線路は六実〜逆井間と運河〜春日部が単線で残りは複線になっている。ただ、運河〜春日部間は野田線高速化工事の際に線路改良がなされ、川間〜南桜井は江戸川橋梁を渡った直後に線路がゆるいカーブの分岐機(制限60km/h)で南桜井まで複線のようになっているし、このほかにも、制限60km/hの分岐で駅に進入できるように改良されたり(清水公園・野田市・川間)、脱線ポイントが設置されたたり(七光台・梅郷)している。
運転系統は大宮-柏と柏-船橋に分かれている、直通運転は編成の船橋方送り込みや七光台入庫など最低限になっている。
車両基地は七光台駅北側の七光台検修区。このほか高柳駅北方(七光台検修区高柳出張所)、岩槻駅・春日部駅構内にはそれぞれ留置線があり、日中や夜間は何編成かが停泊している。車輛の検査は南栗橋検修区で行っているので、検査の都度野田線の車両は南栗橋まで回送されている。
8000系が100km/hまで加速するのは、岩槻〜七里くらいで、ほかの区間では大体80km/h止まりだ。90km/h近く出す区間は、鎌ヶ谷〜馬込沢・柏〜豊四季・梅郷〜野田市くらいだろうか。これは駅間が短いためだろう。
鉄橋は大宮側・とくに江戸川を渡った後の埼玉側にはいくつかあるが、千葉側には鉄橋らしい音がするのは常磐線のオーバークロス部分くらいでほかには全然ない。地形的には船橋〜柏以外は平地になっている。


船橋新船橋塚田馬込沢鎌ヶ谷新鎌ヶ谷六実|高柳|逆井|増尾|新柏|柏

柏|豊四季|流山おおたかの森|初石|江戸川台|運河|梅郷|野田市|愛宕|清水公園|七光台|川間|南桜井|藤の牛島|春日部|八木崎|豊春|東岩槻|岩槻|七里|大和田|大宮公園|北大宮|大宮

■ 野田線前面展望 ■
東武野田線 馬込沢〜船橋の車窓。
平日01運用1301列車 8168F
上で説明している通り、東武野田線の沿線はいわゆるスプローリングの影響で畑の中に住宅街が作られ、いまや住宅地帯のなかにところどころ畑地帯が取り残される形になっている。とくに馬込沢〜塚田のものは千葉県側の沿線ではかなり広大なものだ。動画の中で新船橋周辺には空き地や広大な駐車場が目立つが、それはもともとこの場所には工場があったことを如術に示している。工場は戦前に船橋市の当時のはずれに作られたものだったが、のちに住宅地帯がその周囲を囲んでしまい、土地再利用に伴い大型郊外店舗やゴルフレーン、スーパー銭湯などが出現したものだ。このようにいろいろな種類の建物や畑・緑が混在する、典型的な東京近郊の風景をお楽しみください。

ほかの動画も見る <上の動画のほかにも、船橋〜大宮全線1時間30分の前面展望(上り下り、どちらも13本に分割)や列車の発着風景(8本ほど)もあります。建物と緑と変化に富む野田線の沿線風景をお楽しみください。

> 野田線の走る地域 <

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> 野田線関連サイト <

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